ひかわのこうぼう

模型を組み立てているだけです。それすら怪しいです。

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鈴谷の船体と艦底の間からはみ出した接着剤を補正する(番外編)

船体と艦底が一体型でないキット(ほとんどのものがそうですが)で、たびたび起きうる事故です。
この項ではその修正のひとつの方法として紹介・・・というよりは我流なのでどうなのかわかりませんが。



接着剤がはみ出て侵食する

通常プラモデルの接着剤は、表面を溶かします。また、タミヤセメントの白いキャップのものには樹脂が配合されていたりもします。
そしてこうなってしまった場合、プラモデルの表面を溶かすうえ、一緒になって塗料も溶け出てきますので、上の写真のようになります。なってしまいます。悲劇です。

あわてず状態を見る

まず第一にはみ出した場所をすぐ触らないことが大切です。一度はみ出してしまったものを、ティッシュペーパーや布でふき取ろうとすると、逆に塗料やプラスチック部分に紙の繊維であったり、塗料ないしは樹脂が広範囲に広がってしまって大変なことになるため、触りません。

今回おこなった対処は範囲も狭かったことと、分散した2つの箇所だったため、以下のようにしました。

  1. 第一段階:侵食部分を整える
  2. 第二段階:マスキングをおこない塗装する
  3. 第三段階:乾燥させる

あまりに侵食部分が酷かったり表面が著しく欠損してしまっている場合は、パテで埋める作業が入ります。が、今回はそこまで酷くなかったため上記のような簡単な処置です。


第一段階:侵食部分を整える

  1. 溶け出した部分が乾燥するまで待つ(とても重要です。他の部分から接着剤が指についてそこからまた侵食が始まったり、色々な場所に付着することになると、作業量が爆発的に増えます)
  2. 表層部分の樹脂とプラスチック、塗料の混在部分を紙やすり、デザインナイフなどで薄く取る
  3. 船体と艦底の隙間部分に付着した樹脂とプラスチックの混合物を、周囲を傷つけないように取る

表層部分はデザインナイフを利用した場合、抉り取ってしまう可能性があるので、完全に乾燥させて硬化させたあとの作業開始を大前提として、硬い木材に巻きつけた紙やすりで削ってならす、と言う方法のほうが確実だと考えますが・・・私はデザインナイフで盛り上がった部分だけをとりました。そのあとで紙やすりでならしました。
デザインナイフの刃先は鋭利で、なおかつ非常に欠け易く危険なので、こじるようにして扱うことだけは絶対に避けてください。そのため、絶対に刃先を間に入れて削ったりはしないようにしてください。逆にデザインナイフよりも刃こぼれしにくいカッターナイフなどのほうが安全だと思います。
ひとまずこの段階では、でこぼこしたり、波打ってしまった表面をならして以前の状態に戻す、と言うことを前提に置きます。

くれぐれも怪我のないように注意してください。

第二段階:マスキングをおこない塗装する

平らにした箇所に塗装を施します。隣接している場所に塗料が付着しないようにマスキングをおこないます。
マスキングにはマスキングテープを使用します。昔のタミヤの説明書には「セロハンテープ」と言う表記もありましたが、マスキングテープを使用してください。
私はマスキングテープをある程度カッターマット表面に貼り、ステンレス製の定規とデザインナイフを使用して必要なだけ切り、ピンセットで貼っています。最近ではマスキングテープ用のニッパーもあるようですし、そのあたりは各人工夫してください。


中央付近のほうはまたあとで、ということでまずはこちらから。


中央付近の側も同じようにこのあとマスキングを行い、まず船体側を塗装しました。
理由としては、船体で使用している塗料が艦底のアクリル系ではなく、ラッカー系塗料であるために早く乾燥するから、ということもありますが、少し船体が外側にはみ出るようになっていて段になっており、後々の補正のしやすさからそうしました。


船体が乾燥するまで待ち(実は私はこの間に主砲まわりの塗装をおこなっていました)、今度は船体側をマスキングして、艦底の塗装をおこなっていきます。


マスキングをはがすのは原則的に、完全に乾燥してからにしてください。
今後過去に作成したものについて記述するかもしれませんが、その際には塗り分けのことについても記述しようと思います。


第三段階:乾燥させる

修正した箇所を触らないように注意して持って、乾燥させます。

アクリル系の場合は乾燥が非常に遅いため、埃などの付着も考えて何らかのケースの中で乾燥させたほうがいいと思います。
ちなみに私の場合、艦底部分が1日経過後でも乾燥具合がかなり怪しく思えたので、2日間乾燥させました。

このあとでなんだか凹凸が気になる、と言う場合は、仕上げにクリア剤を塗布する場合も考えて、まぎれるかどうか考えた上で軽くレタッチする感覚で塗ってみてください。


要点

  1. (場合にもよりますが今回のような場合に関しては)本来はみ出さない場所の接着面から接着剤がはみ出て侵食した!と言う場合もあせってふき取ったりしないこと
  2. まず前の段階に戻すことが出来るので前の段階に戻すことを考える(ちなみに接着剤で貼り付けた部分をはがすことも、できないことはないです)
  3. 冷静に作業をする
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